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[ 科学技術・大学 ]
(2019/4/30 05:00)
ホホジロザメが普段はゆっくり泳ぎ、獲物を待ち伏せする習性を持つことが、国立極地研究所の渡辺佑基准教授らの研究グループの調査で分かった。人を襲うこともあるどう猛な肉食魚だが、体温が高くエネルギーの消耗を抑える狙いがあるようだ。論文は27日までに英科学誌に掲載された。
体長3-4メートルにもなるホホジロザメは周囲の水温より10度ほど体温が高く、筋肉を活発に動かして高速で泳げると考えられている。
渡辺准教授らはオーストラリア南部のネプチューン諸島周辺で、8匹のホホジロザメを調査。泳ぐ速度や加速度を測る装置を背びれに取り付け、行動を記録した。
その結果、獲物のオットセイを捕まえる時は、時速25キロ程度まで加速したが、普段は時速2.9-4.9キロメートルとゆっくり泳ぎ、待ち伏せる行動を取った。
深く潜る時は、尾びれを全く動かさないことも判明。渡辺准教授は「高い体温はエネルギーを消費するので、普段はエネルギーを節約し、大きな獲物を狙っているのだろう」と分析している。(時事)
(2019/4/30 05:00)