[ 政治・経済 ]
(2019/5/10 10:00)
【ワシントン=時事】サンダース米大統領報道官は9日、トランプ大統領がシャナハン国防長官代行(56)を次期国防長官に指名する意向であることを明らかにした。昨年末にマティス長官がトランプ氏との「意見の相違」を理由に辞任して以降、シャナハン氏が代行を務めていた。就任には上院の承認が必要になるが、一部議員には軍歴や政治経験のないシャナハン氏の指導力を不安視する声もある。
報道官は声明で「シャナハン氏は過去数カ月間にわたり、国防総省を率いる上で十分過ぎる能力があることを証明した」と強調。「国家に対する卓越した貢献と指導力に基づき、トランプ大統領はシャナハン氏を国防長官に指名する意向だ」と表明した。
これを受けてシャナハン氏も声明で、「上院で承認されれば、引き続き国家防衛戦略の積極的な履行に尽力する。強力な軍を維持し、国の安全を守ることに専念し続ける」と決意を示した。
国防総省によると、パトリック・シャナハン氏はマサチューセッツ工科大で機械工学と経営学の修士号を取得。1986年に米航空大手ボーイングに入社し、ミサイル防衛システム関連や民間機部門の副社長のほか、サプライチェーン戦略を統括する上級副社長を務めた後、2017年7月に国防副長官に就任した。
マティス氏の右腕として国防総省の組織改革などを担当。マティス氏は昨年12月、シリア駐留米軍の撤収を強行しようとするトランプ氏に反発して辞任を表明した。トランプ氏は後任人事にめどが立たないまま、マティス氏の辞任時期を当初予定より2カ月早め、シャナハン氏を長官代行に任命していた。
(2019/5/10 10:00)