[ 機械 ]
(2019/7/29 05:00)
【クボタ/乗用形田植機 ナビウェル NW8S】
クボタが2018年9月に発売した乗用形田植機「ナビウェルNW8S」は、走行や植え付けなど田植機の基本機能を見つめ直したのが開発コンセプトだ。これは「担い手」である農地規模が大きい農業法人や農家などからの要望に基づく。
開発チームを率いた移植機技術部の安田真第2チーム長は16年に「(コメどころ)新潟県の農家から深い田んぼだと田植機が走りにくくなると聞いた」と振り返る。これは田植えや施肥の作業に伴う装置が田植機後部にあることが原因だった。
取り組んだのはバランス改善と軽量化だ。従来、植え付け爪の作業は田植機後部でギアからの伝達で駆動させていた。今回は油圧式変速機を走行用に加えて植え付け用も前方に設けた。これで田植機のバランスを保ち、しっかりした走行と爪の作業ができることを確認した。
制御面で連携した機械研究第一部第一チームの石見(いわみ)憲一チーム長は「車輪の回転と関係なく後部の回転(植え付け爪の作業)を自由に変えられる利点がある」と説明する。
軽量化では操縦者が搭乗するステップ部分をスチール製から樹脂製にするなどで従来機比50キログラム程度の軽量化を実現。クボタは16年、全地球測位システム(GPS)搭載の直進キープ機能付きの田植機を投入した。今回はGPS活用で植え付け爪の回転速度を制御しながら植える「株間キープ機能」も備える。
ナビウェルから同社の田植機はカラーが水色からオレンジに変わった。農業機械のデザインを担う同社デザインセンターは「どの国でもオレンジは当社の農機」という意味合いもあり、今回統一した。
水色に思い入れがあった安田第2チーム長だが「良い製品を出したい思いは同じ。先進性も感じ、満足している」と納得。アルファベットや数字の表記しかなかった液晶パネルも日本語対応し、使い勝手も向上した。クボタは自動運転ができる田植機を20年8月に投入予定。ナビウェルは「ベースとなる農機」(安田第2チーム長)の位置付けだ。(大阪編集委員・林武志)
(2019/7/29 05:00)
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