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[ 自動車・輸送機 ]
(2019/9/5 05:00)
4日開幕した「VACUUM2019真空展」(日本真空工業会、日本表面真空学会、日刊工業新聞社主催)では、特別企画として埼玉自動車大学校が日産自動車のハイブリッド車(HV)「ノートeパワー」のカットモデルを展示した。今後普及が見込まれる次世代自動車の主要部品には、真空技術が随所に使われおり、その重要性を訴求している。
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次世代自動車には、パワー半導体や強力磁石、二次電池などの高機能電子部品や材料が多く使われている。例えば半導体については、車1台当たりの使用量は、デスクトップパソコンの8台分にも相当する。自動車の電動化などに伴いこうした部品は重要性を増しており、その製造は真空技術が支えている。
HVや電気自動車(EV)など電動車の基幹部品であるモーターには、軽量化と高出力化を実現するためにネオジム磁石が使用される。ネオジム磁石の製造には不純物混入を防ぐために、真空溶解炉や真空焼結炉などが使われている。
電動車では高性能バッテリーも欠かせない。エネルギー密度が大きく高電圧、高出力を実現するために、現在ではリチウムイオン電池やニッケル水素電池が使用されている。ニッケル水素電池の水素吸蔵合金を加工する際には、バッテリー内のジェルを安定した状態で注入するために、真空溶解炉と真空熱処理炉を使用して真空状態で加工する。
電動車の電力を適切に制御するための「パワーコントロールユニット(PCU)」。そのパワーICにはスパッタリング装置とイオン注入装置が用いられ、大容量コンデンサーには巻き取り式真空成膜装置が使用されている。
従来は真空技術の自動車への応用はヘッドライトやミラーなどに限られていた。次世代自動車では電動部品にも広がりを見せている。カットモデルを作成した担当者は「今後は車両のダッシュボードを真空成形で加工することもあるかもしれない」と話し、真空技術の応用の広がりに期待を寄せている。
(2019/9/5 05:00)
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