(2020/1/16 05:00)
昨年のテレビ視聴率の1位、2位はラグビーワールドカップ中継。長くラグビー人気が低迷した暗黒期を知る身には信じられない出来事だ。せっかくの盛り上がりを次につなげる策を考えたい。
昨年末、第2次安倍政権が7年を超えた。“アベノミクス”でこの間、名目国内総生産は1割強伸びた。だが実質個人消費は微減だ。モノが売れない傾向がより顕著になり、地方の産業衰退も加速した。
消費の質も大きく変わった。人々の嗜好(しこう)がモノから“コト消費”に移行。旅行や観劇、習い事など体験型・習得型の比重が高まっている。アーティストはCDは売れなくなったが、“ライブ”にお客さんを呼び稼いでいる。
ラグビー界は今の人気を持続するため、社会人チームのプロ化を準備中。観客動員の多くを企業負担でまかなってきたが、これからは自立が求められる。カギはやはりコト消費だろう。試合観戦と周囲の観光や飲食、選手との競技体験会など多様な催事との融合も欠かせない。
そもそも一時は人気低迷で強化から撤退する企業も相次いだ。プロ化で地域を巻き込むことに成功すれば、地方の活性化へと期待もふくらむ。全国で“トライ”しようという意欲がわき起こるかもしれない。
(2020/1/16 05:00)