新型コロナ／ＰＣＲ検査、迅速化キット相次ぐ

ニッポンジーン／同じ設備・人員で倍増

ＰＣＲ法を用いた新型コロナウイルス検査の時間を短縮できるキットの投入が相次ぐ。ニッポンジーン（富山市、金山晋治社長、０７６・４５１・６５４８）の製品は、ウイルスＲＮＡ（リボ核酸）の抽出工程の時間を従来製品と比べ半減できるという。富士フイルム和光純薬（大阪市中央区）のキットは、ＲＮＡのＤＮＡ（デオキシリボ核酸）への転換工程などを効率化でき、同検査全体の時間を従来の４時間から半減できるという。両社とも１５日に発売する。国内で感染者が増える中、検査の迅速化が重要性を増している。

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新型コロナ感染症のＰＣＲ検査は（１）患者の検体からＲＮＡを抽出（２）ＤＮＡに転換（３）新型コロナに特徴的な遺伝子のＤＮＡ配列を試薬を使って増幅（４）増幅の有無で感染判定―の主に四つの工程からなる。

ニッポンジーンのキット「アイソスピン・バイラルＲＮＡ」はウイルスからＲＮＡを抽出し、精製・回収するまでの作業を１−１・５時間程度でできる。現在、検査現場で一般に使用されているドイツメーカーのキットと比べ半分の時間という。

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  ニッポンジーンのウイルスＲＮＡ抽出キット「アイソスピン・バイラルＲＮＡ」

ニッポンジーンは金剛薬品（富山市）グループで、遺伝子工学研究用試薬や診断薬の製造販売を手がける。従来の検査キットは需要過多で輸入が滞っているが、新キットは国内で作り、月間で１万サンプル分の抽出に当たる２０００キットの生産能力がある。

米田祐康ニッポンジーン会長は新キットについて「同じ設備、同じ人員で倍のＰＣＲ検査が可能になる」と話している。

富士フイルム和光純薬／遺伝子検出９０分短縮

富士フイルム和光純薬の遺伝子検出キットは、ＲＮＡからＤＮＡに転換する反応と、ＤＮＡを増幅する反応の時間を合計で約９０分短縮できる。従来、この二つの反応の間に新たに試薬を加える作業が必要だったが無用にした。

また反応試薬を工夫し、短時間で反応が出るようにした。これまで培った検出ノウハウ・技術を生かした。