(2020/4/7 05:00)
外出控え、拡大抑える
日本中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、東京だけでも1日に100人以上の感染者が確認されている。感染拡大の収束に向け、どう行動すれば良いのか。統計学を使い感染拡大の抑止に関する研究をする横浜市立大学の佐藤彰洋教授に電話インタビューした。(飯田真美子)
(総合1参照)
―感染拡大の現状をどう見ていますか。
「シミュレーションから4月10日にも国内の感染者が5000人を超える結果が得られた。全国の感染症に対応できる医療機関のベッド数は約5000台。このまま感染者が増えれば医療崩壊につながる。新型コロナの潜伏期間は約2週間。4月10日から逆算して3月26日に対策をしていれば、事態を防げた可能性があった」
―緊急事態宣言の発令が迫っています。
「発令されても生活は今とはまったく変わらないだろう。政府は個人の行動を全て規制できないため、外出する人はいる。症状の有無に関わらず、新型コロナは誰が感染しているか分からないため、人との接触を避けるべきだ。自分の身は自分で守ることが大切だ」
―今の状況が続くと今後どうなりますか。
「指数関数的に感染者が増加する傾向にある。現状だと2週間に10倍ずつ増え、5月上旬には感染者数が10万人を超え、6月にも社会インフラに影響が表れ始めるだろう」
―最悪の結果を招く前に、どう行動すべきでしょうか。
「東日本大震災を越えるほどの危機的な大災害であることを理解すべきだ。外出を控えるなど人との接触をなくせば、3週間で感染の拡大が抑えられるだろう。不要不急の外出の制限要請を守ることが重要だ」
【略歴】さとう・あきひろ 01年(平13)東北大院情報科学研究科博士課程修了。京大院特定准教授、総務省統計研究研修所客員教授などを務めた。大阪府出身。45歳。情報科学博士。
(2020/4/7 05:00)