(2020/4/6 19:30)
安倍晋三首相は6日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を、東京都や大阪府など7都府県に対して7日に発令する方針を表明した。期間は1カ月程度とする考え。これを踏まえて政府は事業規模で国内総生産(GDP)の2割に相当する108兆円の緊急経済対策を、7日に決定する。対策の着実な実行で、中小企業の資金繰り支援や国民生活の維持に万全を期す必要がある。
緊急事態宣言は神奈川、埼玉、千葉、兵庫、福岡の各県も対象になる。急速な感染拡大で、国民生活や国民経済に甚大な影響が及ぶ可能性があると判断した。専門家らの諮問委員会に諮った上で、対象区域と期間を正式に決める。対象区域の都道府県知事は、不要不急の外出の自粛やイベントの中止などを要請または指示できる。
同特措法に基づいて国や都道府県から「指定公共機関」や「指定地方公共機関」に指定された医療機関や民間事業者にも、感染が広がる中でも事業を継続するための手順としてそれぞれ事前にまとめた「業務計画」に沿った行動が求められる。
世界規模での感染拡大で、国内産業を取り巻く環境は急速に悪化しており、日銀がまとめた3月の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)がマイナス8と7年ぶりに水面下に落ち込んだ。雇用や設備投資への影響も懸念される中で、景気の悪化を最小限に食い止められる実効性の高い経済対策が求められる。
(2020/4/6 19:30)