(2020/4/7 05:00)
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が講じる緊急経済対策が、大筋固まった。日本政策金融公庫(日本公庫)が中小企業向けに行う無利子・無担保融資を、民間金融機関からも受けられる仕組みを整えるほか、事業継続に必要な資金を給付する制度も設ける。サプライチェーンの強靱(きょうじん)化に向け、生産拠点の多元化や国内回帰に取り組む企業を支援する補助制度の具体化も進める。7日に閣議決定する方針。
経済対策は(1)雇用維持と事業継続(2)経済活動の回復(3)感染拡大の防止(4)強靱な経済構造の構築(5)今後への備え―を柱とし、事業規模は108兆円程度になる。目玉の一つとなる現金給付は1世帯当たり30万円とし、休業などで所得が落ち込んだ世帯を対象にする。
中小企業への支援策としては日本公庫への申請が相次ぎ、事務処理が追いつかない状況にある無利子・無担保融資を、政府が利子補給を行うことで、民間金融機関からも受けられるようにする。これと別に設ける中小企業向け、小規模事業者向けの給付金はそれぞれ200万円、100万円を上限とする。税や社会保険料の負担を当面軽くする措置も講じる。また、財務基盤の立て直しを急ぐ大企業や中堅企業を支援するため、日本政策投資銀行に1000億円規模の出資枠を設ける。
感染防止策では改善効果が見込まれ、治験が進んでいるインフルエンザ治療薬「アビガン」の増産を促し、20年度中に200万人分を備蓄する計画。
一方、感染収束後の取り組みとしては、感染拡大が企業のサプライチェーンに与える影響を踏まえ、特定国・地域に偏った生産体制の見直しや、生産拠点の国内回帰を後押しするための補助金を設ける。補助率は最高75%程度となる見込み。
(2020/4/7 05:00)