(2020/4/22 05:00)
神奈川県南西部に位置する二宮町は、豊かな自然と温暖な気候が魅力。中でも吾妻山は、山頂から相模湾と富士山を一望でき、1―2月に見頃を迎える菜の花畑を目当てに訪れる人々も多い。
同町は、外部人材を活用した地元小中学校での教育に力を注いでいる。2月には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とベンチャー企業のロックガレッジ(茨城県古河市、岩倉大輔社長)が、ドローンと人工知能(AI)を使った山岳遭難者捜索の体験授業を中学校で開いた。
生徒たちがタブレット端末でAIに学習させる作業や、授業の終盤には岩倉社長が将来の目標を持つことの大切さに熱弁をふるった。生徒は、科学技術に身近に触れるとともに将来の進路を考える機会となった。
新型コロナウイルス感染症対策の影響で学校が休校になり、生徒に体験の場を提供できなくなっている。授業のオンライン化が広がるが、物を実際に見たり聞いたりすることでしか学べないものも多いはずだ。
NEDO専門調査員の渡辺恒文さんは「創造力や物事への理解力は、体験を通じて養われる」と話す。新型コロナの収束とともに、子どもたちが直接見聞きする機会の創出と広がりを願ってやまない。
(2020/4/22 05:00)