新型コロナ/日米、各機関で研究報告

(2020/4/27 05:00)

接触減、継続が必要 東大准教授まとめ

  • 行動自粛継続の重要について(大橋順・東京大准教授の分析より=時事)

新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、人と人の接触を1カ月の間、8割減らしても、対策をやめると15日で患者数が元のレベルに戻るとの分析を、大橋順・東京大准教授(集団ゲノム学)がまとめた。

大橋准教授は「緊急事態宣言の期限である5月6日より後も、医療崩壊を防ぐには行動自粛の継続が重要」と話している。

大橋准教授は、患者1人が平均して2・5人にうつすと仮定し、感染状況を試算した。試算によると、人口10万人の都市に患者が1人入った場合、1日当たりの患者は59日目に50人に増加する。その時点で接触を8割減らす対策を始めると、30日間で患者数はおおむね半減するが、対策をやめて通常の接触状況に戻ると、15日間で再び50人に増える。

一方、接触8割減の対策を30日間取った後、接触7割減を続ければ、感染者を減らし続けることができるという。

高温・多湿でウイルス半減 米実験確認も因果関係は不明

  • 国土安全保障省のブライアン氏(23日、ワシントンD.C.=ブルームバーグ)

米国土安全保障省は新型コロナウイルスの死滅が太陽光の下や高温・多湿の環境で早まるという実験結果を公表した。詳しいメカニズムは分かっていないが、ウイルス対策に役立つ可能性があるとして、トランプ大統領も関心を示している。

国土安保省のブライアン科学技術局長代行は記者会見で、環境別に新型ウイルスの半減期を比較した結果を発表。人体などの表面に付着したウイルスの半減期が、気温21―24度、湿度20%で18時間だったのに対し、湿度80%では6時間に縮まったことを明らかにした。

湿度80%で気温を35度に上げると、半減期は1時間に短縮。気温21−24度、湿度80%で太陽光を当てると、わずか2分間で半減したという。

ただ、熱帯に位置する国でもウイルス感染者が出ており、気温や湿度と半減期短縮の因果関係は未解明だ。ブライアン氏も「夏になればウイルスが全滅すると見なすのは無責任だ」と指摘した。(ワシントン=時事)

(2020/4/27 05:00)

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