(2020/5/12 05:00)
新型コロナウイルス感染症患者を治療する医療従事者に欠かせない「医療用ガウン」。治療の最前線に立つ医師や看護師らの感染を予防する上で必須といえる防護服もマスク同様、欠品状態が続いている。このような状況下で、愛知県テント・シート工業組合(名古屋市中区)を筆頭に愛知県内のテントメーカー各社は、医療用ガウンの量産を開始した。(名古屋・浜田ひかる)
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「医療用ガウンを作るのは初めての体験だ」。愛知県テント・シート工業組合の佐藤均理事長は、試行錯誤の日々をにじませる。「ゴミ袋に穴を開けて代用する様子を見て、これではいけないと思った」という。
テントを生産する際に使用する裁断機やシーラー加工機などを応用しガウンを作成。同組合に所属する14社と協力し、5月中に愛知県へ6万5000枚を提供予定。その後、合算12万枚を県と名古屋市に提供する計画だ。
同組合は2018年に愛知県、20年に名古屋市、商工中金とそれぞれ災害時に不足する資材等の協力に関する防災協定を提携しており、医療用ガウンはその一環としての取り組み。
愛知県から3月に閉館した愛知県スポーツ会館(名古屋市北区)を医療用ガウンの梱包(こんぽう)作業場所として提供を受け、5月1日から作業を開始した。作業員には、同組合に所属する丸八テント商会(同中区)が学生を中心にボランティアを採用。「1日平均4000枚の生産が目標」(佐藤理事長)だ。
一方、業務用かっぱ・防水エプロンを生産する船橋(同中村区)も、国からの要請を受け4月14日から医療用ガウンの量産を始めた。4月に募集した協力会社6社とともに「1日2万枚生産する体制に入った」(担当者)。同社のガウンは防水エプロンを生産する技術を応用し、数週間で開発。国への納品が落ち着いた段階で、愛知県内の病院から順次、販売を受け付ける予定だ。
(2020/5/12 05:00)
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