(2020/5/12 05:00)
【京都】エス.ラボ(京都市伏見区、柚山精一社長、075・634・9577)は、独自のペレット方式3Dプリンターを活用し「飛沫防止用フェイスシールド」の製造を始めた。慶応義塾大学SFC研究所ソーシャルファブリケーションラボが協力し、医療関係者の声を反映してデザインした。一般的な3Dプリンターと比べて造形時間が10倍速い新開発の量産技術を採用。現有設備で月4万個生産できる。
新型コロナウイルス感染拡大により、医療現場では感染防護具が不足している。そこで、市場で金型を用いた大量生産が立ち上がるまでの“つなぎ役”として3Dプリンターで社会貢献する。不足物資の状況に応じて造形物は臨機応変に対応する。エス.ラボは3Dプリンターのベンチャー。
同シールド5万個超を生産できる材料を確保済み。価格は1個当たり700―800円程に設定する方針。初期生産の200個は京都府長岡京市に寄贈した。
一般的な3Dプリンターは造形時間が長く、専用材料で高額なため量産に不向きとされる。だが、同社独自開発の3Dプリンターは大量生産するプラスチック品向け樹脂ペレット材が使え、低コスト生産できる。加えて、同プリンターを複数台連動して高速造形できる新しい量産技術「3Dプラント」を採用。シールドのフレーム部の造形時間は1個当たり6分と短い。
同シールドのデザインは、3Dプリンターで製造することを前提に設計している。医療関係者の「メガネや鼻に当たらないが、シールドと口の距離は近い方が良い」という要望に応え、3Dプリントならではの湾曲した形状にしている。
(2020/5/12 05:00)
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