新型コロナ/北洋銀、感染者発生に迅速対応 営業止めず

(2020/6/19 05:00)

拡大防止は「現在進行形」

  • 札幌市中央区にある北洋銀本店。緊迫の日々がこの中で続いた

社内に新型コロナウイルスの感染者が発生したら―。北海道経済を支える北洋銀行では4日に職員に初めて新型コロナ感染者が判明。6日後の10日に2人目の感染者が発生した。感染拡大防止に細心の注意を払いながら、地域経済に欠かせないインフラ企業として営業を続けている。同行の対応を取材した。(札幌・市川徹)

感染者が出た光星支店(札幌市東区)は同行に22店舗ある基幹支店の一つで42人が勤務する。1日平均250人が訪れ、不特定多数の人らが出入りする感染リスクが高い環境だった。感染の職員はPCR検査を受診した翌日、陽性の診断が出た。「店舗がクラスター発生源にならないか」「地域経済を止めてしまうのでは」と、一気に不安が高まったという。

同行では本人、支店、本店の経路で情報を迅速に伝達。本店内に緊急対策本部を置いて支店の消毒作業を進め、感染者と濃厚接触したと思われる14人には自宅待機を命じた。店舗は営業を継続したが、2人目の感染者が発生。この際は開店直後に判明したため、いったん閉店して消毒作業を開始。本店や他店舗から代替職員を配置し、翌11日には通常営業を再開した。マスコミへの発表や、顧客対応のコールセンター設置などスピーディーに対応した。

最初の感染者発生から2週間たち、同支店職員の自宅待機期間が終了。それでも「ホッとすることはない。現在進行形で続く」(同行幹部)と安堵(あんど)感はない。「緊急対策本部の設置は、金融機関にとって最大級のリスクという意味だ。簡単には終わらない」(同)と気を引き締める。

(2020/6/19 05:00)

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