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(2020/6/29 05:00)
伝わる言葉 コツつかむ
(総合1から続く)奈良先端科学技術大学院大学を卒業しました。学生時代は細胞内におけるたんぱく質の働きを研究していました。クラシエ製薬に入社し、初めに配属された研究所では漢方の作用機序や製剤の安定性を調べる仕事をしていたので、大学の知識を生かすことができました。ただ、学生と違って会社では「期日までに使えるデータを提出すること」が求められます。“仕事をする”ということを学んだのを覚えています。
マーケティング部には入社5年目の時に異動しました。商品に直接関わる部署なので、ドラッグストアに自分が手がけた製品が並ぶうれしさを体験しました。お客さまから「ずっと悩んでいた痛みがとれました」といった声をいただくと、今でも顔がほころびます。
異動した当初は「言葉の選び方」に苦労しました。営業担当社員に商品の良さを説明するのですが、研究と違いデータのみでは示せません。また、研究の段階では不確かな結果も結果として示せますが、市場に出す商品には明確さが必要です。何を言い切って、どんなことを言えば相手に伝わるのか、それをつかむのに時間がかかりました。
今は少し余裕が出てきましたので、1歩先に進んで相手の状況や提案のタイミングなども配慮できるようになりました。商品開発は社内外の多くの人とコミュニケーションを取る必要があります。幸い自分は研究知識があるので、各部署とのよいパイプ役になれればと思っています。
休日はダイビングや神社仏閣巡りで自分をリセットしています。仕事が行き詰まるとどうしても視野が狭くなりがちです。非日常に身を置いて考え直し、突破口を探るようにしています。(文=門脇花梨、写真=成田麻珠)
◇クラシエ製薬 ヘルスケア事業部マーケティング部商品開発チーム係長 吉田桃子(よしだ・ももこ)さん
(2020/6/29 05:00)