第49回日本産業技術大賞・喜びの声 社会の発展・貢献度評価

(2020/6/30 05:00)

第49回日本産業技術大賞の贈賞式には受賞者や審査委員、来賓らが多数出席した。松本洋一郎審査委員長(東京理科大学学長)が評価ポイントを紹介。「技術の発展性と先見性、産業界と社会への発展性と貢献度を評価した」と振り返った。文部科学大臣賞を受賞したミスミグループ本社の大野龍隆社長は受賞者あいさつで「新しいビジネスモデルの構築につながる重要な技術が受賞できて光栄に思う」と喜びを語った。(総合1参照)

【ニーズ応えたい 村田製作所・村田恒夫会長】

高密度小型酸化物全固体電池は、燃えない、熱に強い優れた安全性と耐久性を持つ。他の電子部品と混在でき、省スペース化や設計自由度の向上に貢献できる。小型で高エネルギー密度を実現。安全性と長時間の利用が求められるウエアラブル機器などに使われる。今後は製品を応用し、さまざまなニーズに応えたい。

【社員にもお礼を ミスミグループ本社・大野龍隆社長】

「meviy(メヴィー)」は当社にとってITを駆使した新しいビジネスモデルを開発する使命を持った非常に重要な取り組み。そのため今回の受賞の喜びはひとしお。開発にあたり多くの困難を乗り越えた社員にもお礼を言いたい。現在、日本で5万人弱のエンジニアが利用する。今後はグローバル展開し、世界の製造業に貢献したい。

【環境負荷減らす 清水建設・井上和幸社長】

特殊強化段ボールや天然パルプ系不織布などの紙素材を、建設資材として利用を可能にした。高い技術力を持つ王子ホールディングスとの協業による成果だ。軽量で取り扱いやすく作業員の負担を軽減し、現場の生産性が向上する。リサイクルも可能。成果をさまざまな建材に適用し、さらなる環境負荷の低減につなげたい。

【まず国内から 三菱重工工作機械・若林謙一社長】

金属積層の際に金属の酸化を防止するローカルシールドと、積層状況をCCDカメラで観察し、積層造形を最適化するモニタリングフィードバックシステムの二つが装置の特徴。差別化を図れている技術でもある。まずは国内の製造業で役立ててもらえるよう、精いっぱい邁進していく。

【SDGsに貢献 王子ホールディングス・加来正年社長】

包装資材として活用している段ボールと、おしぼりなどで使用されている木質繊維由来の不織布を建設仮設資材に適用した。紙素材の新たな活用技術を確立できたこと、環境負荷低減や土木現場での施工性向上に寄与できたことは非常に喜ばしい。今後も、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向け貢献したい。

(2020/6/30 05:00)

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