新型コロナ/ワクチン開発着々 世界で加速、年内実用化へ

(2020/7/29 05:00)

新型コロナウイルスのワクチンの年内実用化が視野に入ってきた。米製薬大手ファイザー・独バイオ医薬品企業ビオンテックの連合と、米バイオ医薬品企業モデルナはそれぞれ、後期段階の臨床試験(治験)を始めた。またトランプ米大統領はワクチン生産を支援するため、富士フイルムの米国子会社に資金を拠出する。一方、一部の専門家は年内実用化に慎重な見方を示す。

  • モデルナ本社(5月25日、マサチューセッツ州ケンブリッジ=ブルームバーグ)

モデルナが最終治験 3万人参加

【ニューヨーク=時事】米バイオ医薬品企業モデルナは、開発を進める新型コロナウイルスのワクチン候補について、最終となる第3段階の臨床試験(治験)を開始した。米国立衛生研究所(NIH)などと共同で実施し、米国内で約3万人の被験者が参加する。

同社は来年から年間5億回分のワクチンを供給する計画。自社の製造能力に加え、スイスの製薬会社ロンザとの提携により、最大10億回分を供給できる可能性もあるとしている。

ファイザーなど、後期治験

  • ファイザー本社に設置されたコロナワクチン治験告知(22日、ニューヨーク=ブルームバーグ)

【ニューヨーク=時事】米製薬大手ファイザーと独バイオ医薬品企業ビオンテックは、新型コロナウイルスのワクチン候補について、後期段階の臨床試験(治験)を始めたと発表した。他社のワクチン候補も続々と後期治験に移行しており、ワクチンの年内実用化も視野に入ってきた。

ファイザーとビオンテックの後期治験は、米国など世界約120カ所で実施し、最大3万人が参加する見通し。両社は、治験が成功すれば10月にも当局に承認申請を行う準備があると明言した。承認が下りれば、年末までに最大1億回分、来年末までに約13億回分を供給する計画だ。

英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大によるワクチン候補も、既に後期治験に入っている。

一方、年内のワクチン実用化について、一部の専門家は慎重な見方を示す。英専門家は「治験の初期段階で成功しても、後期段階で失敗するものも多い」と指摘。別の専門家は、年末までの実用化は可能としながらも、「確実ではない」と話した。

(2020/7/29 05:00)

総合3のニュース一覧

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン