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(2020/8/24 05:00)
娘と遊びながら新発見
(総合1から続く) 富山大学大学院理工学教育部物質生命システム工学専攻で、再生医工学を学びました。小松マテーレに入社したのは会社説明会で繊維のさまざまな機能に興味を持ったからです。大学での学びとは直結していませんが、大きなテーマから細分化した複数の研究や実験を同時進行して成果を集約していく方法論は仕事にも共通しています。
現在の部署は研究開発に携わるようになった入社2年目に配属されました。最近では新しい撥水(はっすい)加工や光触媒技術の開発に関わりました。撥水加工は環境性と性能の両立、光触媒は短期間にマスクに応用するなど、それぞれ苦労がありました。
受けた仕事は断らないのが信条でしたが、取り組み方には変化がありました。2017年から1年間産休に入り、18年から総合職の開発者として初めて時短勤務に移行しました。勤務時間が短くなるため、業務に優先順位を付けなければやれません。上司や仲間の協力のおかげで同年8月からフルタイムに復帰しましたが、仕事の割り振りやメリハリの付け方に大きな影響がありました。
とはいえ、仕事は好きなので家に戻っても考える時があります。3歳の娘の髪を洗っている時、水をはじく様子を見て、糸の太さと相関があることを発想しました。娘と遊びながら過ごす日々にも新しい発見があります。
今後はマスクを足がかりにヘルスケア部門の拡大に向けた開発に取り組むのが目標です。不織布マスクが品薄だった時、介護福祉士をしている妹に光触媒を活用したマスクインナーを送って喜んでもらえました。みんなが使えて、生活を豊かにする商品をいくつも生み出していきたいと思っています。(文・写真=金沢支局長・本荘昌宏)
◇小松マテーレ 技術開発部高機能Gリーダー 浜口裕香(はまぐち・ゆうか)さん
(2020/8/24 05:00)