リケジョｎｅｏ（124）丸紅・五ノ井彩子さん

食品科学で新事業考える

（総合１から続く）幼いころから中学生まで約１２年間、米国で育ちました。現地の学校で数学や理科は得意な科目でした。高校受験で日本に戻り、奈良県で過ごしました。米国でも日本でも自然に囲まれた所で育ったこともあり、植物や農業に興味がありました。バイオ系の研究をしたいと京都大学農学部に入学し、同大大学院農学研究科に進み、果樹の遺伝子評価ツールの開発に取り組みました。

丸紅が食品事業に力を入れていることを知り、米国や大学での経験が生かせると思い、ここで働きたいという気持ちが高まりました。世界中の人の食や健康を支える仕事がしたいと考え、２０１５年に入社しました。これまで欧州を主産地とする食用油や片栗粉といった原料のバルクトレード業務（国内外の食品メーカーへの営業販売）を担当してきました。オリーブがきちんと栽培されているかを確認するため、農地を視察する機会もありました。品質確認の際に農薬や菌数管理などを確認したり、製造工場を視察したりすることがあり、理系の知識が役立ったと思います。

昨年、自分の発案で機能性食品原料のマーケティングや、業界調査のため米国で数カ月間研修をさせてもらいました。研修結果を反映し、発足されたフードサイエンスチームに異動となり、現在は新たな食品原料の開拓や事業戦略の構築に取り組んでいます。理系の知識や原料トレードで得たノウハウを生かし、食品科学・技術を基軸に考案した新規事業戦略の企画や立案を実践していきたいです。

趣味は旅行と食べ歩き。もつ鍋やめんたいこ、焼酎などがおいしい九州に行くことが好きです。アクセサリー作りも楽しみの一つです。（文＝浅海宏規、写真＝成田麻珠）

◇丸紅　食品原料部　フードサイエンスチーム　チーフマーケットアナリスト　五ノ井彩子（ごのい・あやこ）