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(2021/3/8 05:00)
気候変動対策、事業で貢献
(総合1から続く) 高校時代にエンジニアだった父からプレゼントされた地球温暖化問題に関する本を読み、環境問題の課題解決につながる研究がしたいと早稲田大学理工学部(現創造理工学部)環境資源工学科に進学しました。
当時は環境ビジネスの市場はあまり大きくなく、資源分野のダイナミズムに魅了され、研究室の先生の薦めで石油工学の本場である米国で学ぼうと考えました。
現地の大学院では地下の油ガス田から生産される石油・天然ガスの回収率向上に向けた研究をオイルメジャーとともに取り組みました。企業から研究補助金をいただいて研究するためプレッシャーがありましたね。でもビジネスの現場に近いところで研究できたことは貴重な経験でした。
就職活動は資源系に強い日系商社に絞り、三菱商事に入社したのは2012年です。豪州の天然ガスプロジェクトなどを経験し、19年から米コロンビアビジネススクールに社費留学し、20年6月に帰国しました。
協業先である米スタートアップのブループラネットは、排ガスに含まれる二酸化炭素(CO2)をコンクリート原料に固定化する技術を持っています。当社はブループラネットに資金提供し、実証事業の支援を行っています。
こうした取り組みは大学院時代にオイルメジャーから与えられたミッションと似ています。技術への理解はもちろん、研究者側の立場も理解できる点を生かしたいです。学生時代に興味を持った気候変動問題のビジネス分野で新たな収益の柱となれるよう育てていきたいと考えています。
趣味はゴルフ。20年末から飼い始めたロシアンブルーの猫と一緒にゴロゴロするのも楽しみの一つです。(文=浅海宏規、写真=高山基成)
◇三菱商事 天然ガスグループCEOオフィスカーボンリサイクルユニットマネージャー 小崎知恵(こざき・ちえ)さん
(2021/3/8 05:00)