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(2021/6/7 05:00)
化学のパズル完成目指し
(総合1から)大学院では理工学研究科で触媒化学を専攻しました。化学反応を促す触媒で、狙った反応をいかに効率的に進められるかを研究しました。ただ「このまま学問を究めるより、人の役に立つ製品作りに携わりたい」と考えるようになり、化学反応を用いたガス検知センサーが主力の理研計器への入社を決めました。
最終製品として世に売り出す“モノ”に関わっていることにやりがいを感じています。入社以来、研究一課に所属し可燃性検知ガスセンサーの開発を担当。現在は高耐久性センサーの開発が大詰めです。課では最年少で、上司や先輩社員と相談しながら仕事を進めています。
目標はどんな要望にも「できます」と応える技術者になること。さまざまな部署と関わっていると、意見の食い違いがあってもその背景を理解できます。その分、悩みますが「それならこうしますか」と応える先輩たちを隣で見てきました。この道に終わりはないからこそ、仕事には謙虚な姿勢で取り組みたいです。
「化学の知識は幅広い。正しくデータを集めていると、パズルに最後のピースがはまるように分かる瞬間がある」とは、大学院時代の恩師の言葉。悩んだ時には今でも思い返します。データを集めている際、ふと「このまま分かったことにしてしまおうか」と頭をよぎりますが、それは決してしません。「分からないことをやっているんだ」と心を持ち直します。知識の幅をどんどん広げ、目指す技術者像に少しでも近づきたいです。
休日は趣味のコーヒーでリフレッシュします。お気に入りは、深い味わいが特徴のインドネシアのスマトラ島産のコーヒー豆。気分によってアイスやホットなど変化をつけています。(文=渋谷拓海、写真=田山浩一)
◇理研計器 開発センター研究部研究一課 高山柚季(たかやま・ゆき)さん
(2021/6/7 05:00)