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(2021/6/28 05:00)
多様なパーツ、3D造形奮闘
(総合1から続く) 日本大学理工学部物質応用化学科の卒業です。人体に興味があり、4年生の時は有機合成化学系研究室で、がんの増殖を抑える薬を体内で見える化するための色素を研究しました。
入社以来、医療分野の顧客向けに3Dモデル作製などを行う部署に所属しています。弊社では約30年前から工業向け3Dプリンター活用に取り組んできましたが、私が入社する半年前に医療向けの部署が立ち上がり、配属希望を出しました。大学時代に化学を専攻して、一部の3Dプリンターの販売に必要な「毒物劇物取扱責任者」の資格を取得していたことが役立ちました。
入社2年目の春、手術トレーニングに用いる腹部の実寸大モデル作成に取り組んだことが印象的です。3Dプリンターは造形する高さに応じてプリント時間が決まります。精巧なモデルを少しでも早く作るため、18ものパーツを組み合わせて造形することになりました。3Dデータから「どこの部位同士がつながっているのか」を確認し、試行錯誤したことを覚えています。パーツ同士の大きさが合わず、うまく組み合わせられないこともありましたが、「この経験を次に生かそう」とのびのびと挑戦させてもらえる雰囲気があり、この案件を通して成長できました。
医師は長時間の手術を立て続けに行うこともあります。手術前に3Dモデルを使って患者やスタッフとイメージを共有できるようにすることで、その負担を軽減したいと考えています。
コロナ禍前の休日はバレーボールでリフレッシュしていました。仕事とプライベートの時間を切り替えることで、良いアイデアがわいてきます。(文=狐塚真子、写真=木本直行)
◇丸紅情報システムズ 製造ソリューション事業本部モデリング技術部アプリケーション推進課 平野綾夏(ひらの・あやか)さん
(2021/6/28 05:00)