(2021/7/23 05:00)
「無観客開催のオリンピック、どう楽しめば良いですかね?」。周囲に聞いても、答えはほぼ同じ。「テレビ観戦で十分。最初からそのつもりだよ」。
もちろん残念な思いもある。ただ人気種目のチケットは入手困難だったし、炎天下の外出がおっくうなのも事実。加えて近年は、SNS(会員制交流サイト)などの“実況”を通じて同好の士と感動をシェアする視聴スタイルが台頭。自宅観戦の楽しみも増している。
コロナ禍での混乱と相次ぐスキャンダル。異例ずくめの東京五輪がきょう開幕する。民意は歓迎ムード一色とはいかず、産業界のトップも開会式出席を見送るケースが相次いでいる。
イベントとしての成果がどこまで出せるかは微妙だが、厳しい練習を重ねてきた選手が競技にかける熱意に変わりはあるまい。アスリートの汗と、勝利をつかんだ時の笑顔が、重く垂れ込めた空気を吹き払ってくれると信じたい。
あすからは柔道をはじめメダルの決まる試合がスタートする。画面の向こうの選手の汗と笑顔を目にすれば、自然と応援する気持ちも高まるだろう。8月8日に迎える閉会式までに、世論が「五輪をやって良かった」と変わっていくことを願う。
(2021/7/23 05:00)