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(2021/9/6 05:00)
ミシンと向き合い改善点発見
(総合1から続く)家庭用ミシンのメカ機構を設計する部署を4年経験し、現在は製品企画室で部署間の架け橋となる仕事に従事しています。例えば、営業部門から新ミシンのアイデアが出ますが、開発部門からすれば工数が膨大になり実現が難しい場合もあります。各部門の譲れるところと譲れないところの折り合いをつけるのが業務です。要望を正しく理解し、分かりやすく伝えることを心がけています。
当社は10月に創業100周年を迎えます。これを記念した電子ミシン「エポルク」は、押し入れにしまうのではなく、使わないときでも部屋に飾っておけることがコンセプトです。ミシンを分解し、外装に色を塗り試作品を作りました。イメージしやすくすることで、意識の面でも製品の方向性を共有化できたと思います。
祖母や母が裁縫をしており、常にミシンが置いてある家庭でした。夏になると母が浴衣を縫ってくれました。私自身もいつからか、ソーイングやビーズクラフトを始めました。今でもミシンを使って洋服を作っています。モノづくりは楽しいです。自社製品を使うことで改善点を発見することもできます。
モノづくりがしたいとの思いから、電気通信大学情報理工学部知能機械工学科に入学しました。ゲーム開発用のエンジンで、入力動作を異なる動作に変換する「リンク機構」を分かりやすく理解できるような教育用ソフトウエアを開発しました。なにより、数式がたくさん並ぶような参考書も臆さず取り組む勉強法を学んだことが大きいです。
休日はミシンでバックやシャツを作ったり、同期や同僚とオンラインゲームをしたりするなどして気分転換をしています。(文=川口拓洋、写真=木本直行)
◇蛇の目ミシン工業 製品企画室 安本紗樹(やすもと・さき)さん
(2021/9/6 05:00)