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(2021/9/20 05:00)
(総合1から続く)入社3年目から、「あじわいレンジ」という新しい常温商品の開発に一から携わりました。熱殺菌が難しいトレー容器でレトルト商品をつくることは、当社としては初めての試みでした。
熱殺菌をする際、トレーはパウチと比較して熱が伝わりにくいことが難点です。トレー内のどこで温度が低くなるのか、どこの具材に熱が伝わりにくいのかなど、試行錯誤を重ねました。高温で殺菌するため、具材が溶けることなく、いかに食感や味を担保するのかに苦労しました。
商品開発では決められた社内プロセスがあり、限られた期間の中で成果を出すことが求められます。今までの知見や他の商品で培った知識を生かし、精度の高い仮説の組み立てと検証をするため、日々新しい知識の取得に励んでいますが、これは大学での研究経験が生かされています。
東京大学大学院では先端生命科学を専攻し、悪性度の高い大腸がんの研究をしていました。大腸がん検査の精度向上に向けたはるか未来の研究ですが、一方で週に1度研究の進捗(しんちょく)を発表しなければいけません。近い目標を立て、仮説と検証を繰り返したそこでの経験は現在の業務に通じています。
将来の目標は、海外現地での新商品開発に携わることです。どのように工場の生産ラインに落とし込むのかなど、現地工場の生産体制もサポートしていきたいです。
つくる側だからこそ、お客さまのニーズを想像することを常に心がけています。プライベートでも食べることが大好きで、おいしい店がないかアンテナを張るようにしています。(文=大阪・池知恵、写真=高山基成)
◇日本ハム 加工事業本部技術開発室 デリ商品研究開発課 柴北綾女(しばきた・あやめ)さん
(2021/9/20 05:00)