- トップ
- ひと カイシャ 交差点
- 記事詳細
(2022/2/28 05:00)
目標は医療イノベーション
(総合1から続く)幼少期に見た医療ドラマの影響や、股関節に金属が入ったまま亡くなった祖父を見て、医療と工学の研究をしたいと静岡大学工学部に進学しました。微生物の繁殖による水質改善を研究、化学工学と医療に関わることができると考えフロイント産業に入社しました。
入社から1年程度は顧客に納入した機械の立ち上げテスト支援を担当し、その後は医薬品の造粒装置の開発担当になりました。連続造粒乾燥装置では、当初は狙った物性データが取得できませんでした。膨大なデータ量を分析し、スクリューの回転数やブレードの羽根の形などで改良を重ねて製品化にこぎ着けました。製薬会社に納入された時の喜びはひとしおでした。
現在は複数材料をまとめることで性能を発揮させるためのコプロセス添加剤の開発を担当しています。錠剤であれば苦味がなく、水なしでも飲めるなど薬剤との相性、反応性、服用性を考慮して設計しています。また時間やコストが抑えられて顧客の製薬会社にメリットある付加価値をつける必要があります。
医薬品添加剤や造粒装置など医療に関わる分野で、他の人が考えつかないような画期的な開発でイノベーションを創出するのが目標です。例えば高齢者も服用しやすい薬品にできる添加剤の次世代バージョンなどが開発できたらと考えます。
時差出勤制度などで働きやすい環境なので、子育てしながら働き続ける女性社員のロールモデルを目指します。
出産で運動から遠ざかったが、健康維持のためジョギングを始めました。感動する映画を見て泣くことでストレス発散しています。(文・写真=浜松・市川哲寛)
◇フロイント産業 技術開発研究所化成品開発課 柳井奈央子(やない・なおこ)さん
(2022/2/28 05:00)