産業春秋／桜とコロナ

今年の桜の開花予想は、西日本と東日本では平年並み。北日本は早い。観測史上最速が続出した２０２０年―２１年に比べると１週間―１０日間程度、遅くなる地域が多いが、最近のポカポカ陽気で開花日が早まるとの見方も。

東京都心の満開は２６―２９日ごろになりそう。近年はすっかり小中学校の卒業式の桜吹雪が定番になっていた。今年は４月の新入生を舞い散る花が、迎えてくれるかもしれない。

街中の商店や飲食店で「臨時休業」の札を見かけることが増えた。理由は書いていなくとも、１週間程度の休業は新型コロナウイルス感染症だ。「営業時間短縮」のお知らせは、おそらくスタッフが確保できずに不足したのだろう。

感染者数の増加は落ち着いたが、依然として重症者も死者も高い水準。まん延防止等重点措置の解除も見通せない。だが一律で強引な規制より、よほど上手にコロナと共存できるようになったと感じる。

コロナ禍で３度目のサクラの季節。残念ながら今年も花見は自粛だ。しかし経済が萎縮せずに動き続けるなら、克服の道が見えてきたと言えるのではないか。卒業式には間に合わなくとも、花の散る頃には、もっと日常が戻ってくることを期待したい。