第51回日本産業技術大賞・喜びの声 社会の発展・安全に貢献

(2022/4/7 05:00)

 6日に開かれた第51回日本産業技術大賞の贈賞式には受賞者や審査委員、来賓らが出席した。松本洋一郎審査委員長(東京大学名誉教授・外務大臣科学技術顧問)が評価のポイントを紹介し、「技術の発展性、先進性、産業発展への貢献、社会への貢献という観点から評価した」と振り返った。文部科学大臣賞を受賞した日立製作所の永野勝也執行役専務は受賞者あいさつで、「安全な社会への貢献に向けて努力していく」と決意を述べた。(総合1参照)

水素で脱炭素 川崎重工業・橋本康彦社長

 世界でカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の動きが加速し、政情不安定の中、エネルギーセキュリティーが最重要課題だ。水素はさまざまな資源から調達でき、エネルギーセキュリティーを担保できる。水素でカーボンニュートラル社会を実現するため、意志ある情熱と行動で挑戦したい。

安全な社会創る 日立製作所・永野勝也執行役専務社会ビジネスユニット最高経営責任者(CEO)

 漏水を検知するアルゴリズムの開発により約90%の精度で漏水を見極められる。安全・安心に暮らし、サステナブルな社会をつくるためには、社会インフラの維持が重要だ。社会インフラの維持には多大なコストがかかるが、維持を行う人は減っているという。安全な社会を皆さまとともに創りあげていかなければならないと考えている。

大きな意義持つ トヨタ自動車・鯉渕健クルマ開発センターフェロー

 自家用車向け高度運転支援システムの基本形の確立など、いくつかの大変大きな意義を持つ開発だった。ユーザーの分かりやすさなど、最後まで悩みながら一歩ずつ乗り越えてきた。ホンダは戦友だと感じており、同時受賞は本当にうれしい。モチベーションをもう一度さらに高める原動力になる。関係した全ての方々に感謝したい。

次世代につなぐ ウーブン・コア・虫上広志代表取締役プレジデント

 大規模なソフトウエア開発だったが、トヨタ自動車グループの総力を挙げて成し遂げた。モビリティーカンパニー、モビリティー社会への第一歩だ。自動運転の実現にはインフラ整備や、世の理解が必要。同時受賞したホンダとも同じゴールを共有し、日本の産業競争力向上に向け官民一体となって次世代につなげたい。

挑戦続ける ホンダ・玉川裕ソフトウェアデファインドモビリティ開発統括部長

 一番難しい、誰もやっていない技術から挑戦しようというモチベーションから開発を始めた。複雑かつ多岐にわたる開発だった。運転を代行するシステムが安全で信頼できることをいかに証明するかに苦慮した。全てのお客さまに安心・安全な移動を提供するため、より高いハードルを越えるチャレンジをこれからも続けたい。

(2022/4/7 05:00)

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