- トップ
- ひと カイシャ 交差点
- 記事詳細
(2022/7/11 05:00)
「あって良かった」商品作る
(総合1から続く)京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科応用生物学専攻で人や家畜に伝染する疾患の原因たんぱく質の構造を明らかにし、そのたんぱく質の働きを抑える薬剤の候補物質を探す研究をしていました。就職活動中に「大学院卒だから研究職に就く」という通常のルートに迷いが生じました。そんな中、企業紹介で大学に来ていた岩谷産業の担当者から研究や営業、管理業務などのさまざまな業務に挑戦できることを聞き入社を決めました。
再生医療の市場拡大に伴い、関連サービスやシステムのニーズが多様化すると考えられます。再生医療製品の低温での輸送や保管のニーズに対応するため、細胞を利用した実験や低温容器の評価などを行っています。どんな仕組みや道具が必要かを考え「将来を予測し、これがあって良かった」とユーザーに思ってもらえる商品を作りたいです。
大学時代から研究でのチームワークの重要性は感じていましたが、今は研究現場のメンバーだけでなく営業担当者など幅広い関係者と連携を密にしています。仕事を進める中で、製薬企業など再生医療に関わる人々の気持ちを考えながら仕事をするようになりました。それこそ再生医療で使う細胞になりきるくらいの気持ちで取り組んでいます。
将来的には営業などのさまざまな立場で再生医療事業に携わりたいです。さらに「コールドチェーン」の構築と事業に関わる人材育成にも貢献したいです。
宝塚歌劇団のファン歴は10年を超えます。5組のグループのうち、最も好きな宙組(そらぐみ)の公演で同じ内容を5回見たことがあります。仕事で扱う細胞と同じで、舞台は生もの。演者の髪形が前回と変わっているなどの小さな変化に喜びながら、仕事への活力をもらっています。(文=大阪・冨井哲雄、写真=田山浩一)
◇岩谷産業 中央研究所営業技術担当 西藤万智(さいとう・まち)さん
(2022/7/11 05:00)