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(2022/8/1 05:00)
お客さま目線あっての研究
(総合1から続く)高校時代までを兵庫県たつの市で過ごしました。生物の授業が楽しかったこともあり、お茶の水女子大で生物学科を専攻。大学院でもライフサイエンスを学びました。アース製薬に就職したのは虫カテゴリーだけではなく、芳香剤などまで幅広く展開していて魅力を感じたからです。
研究部に配属になり最初の仕事は屋外で蚊のいない空間をつくれる「ヤブ蚊マダニジェット プロプレミアム」の開発。基本設計が決まっていたモノを引き継ぎ、商品化を進めました。その効果がどれくらい継続するのかというデータを取得したり、どういうスプレー方法が効果的なのかという構造設計したりと2年をかけて商品化しました。達成感で一杯でした。
中でも持ち運びできる虫よけ製品「虫よけマモリーネ」の開発はゼロから生み出した仕事として印象に強く残っています。スマホサイズの容器でスライドを開けた時だけ虫よけ成分を放出する仕組み。小型サイズに薬剤を濃縮するためのシートを共同開発したり、使い終わりが分かりやすい色を出す工夫をしたりと苦労の連続でした。周りの協力で2021年に商品化できた感動は忘れられません。
大学院でお茶に含まれるカフェインの合成過程を研究していました。検証と仮説を繰り返すという考え方が身に付いたことは今の仕事に役立ちました。学生時代は研究者目線でしたが、仕事するうちにお客さま目線があっての研究だと新鮮な驚きがありました。またユーザーが思っていない使い方をして驚かされることもあります。いろいろな声が寄せられ開発のヒントになるので大切にしています。
休みの日には会社のゴルフ部の仲間とラウンドしてリフレッシュしています。(文=編集委員・井上雅太郎、写真=田山浩一)
◇アース製薬 研究開発本部研究部研究員 三木彩雅(みき・あやか)さん
(2022/8/1 05:00)