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(2022/12/5 05:00)
率先し成膜用途開拓進める
(総合1から続く)大学から有機合成化学を学び、お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科ではフッ素化合物の研究室で反応開発に携わりました。企業との共同研究で担当者とディスカッションするなか、大学とは違う企業の研究開発(R&D)の考え方を知る、良い機会になりました。
入社時から半導体材料研究室に所属し、5年間は先端半導体に使われる材料の合成を担当しました。ただ、開発品が採用されるには、ウエハー上に成膜する際の評価を付加価値として提案することが求められます。
化学とは異なる分野の知識も必要で、6-7年目に研修などを経て、成膜プロセスに関する専門知識や分析手法を習得しました。カナダで語学留学も経験し、現在はスキルを生かして海外ユーザーの対応にも従事しています。
将来は開発に携わった材料で、社会に貢献できる新しい可能性を見つけていきたいです。用途開拓などに率先して取り組むことで、会社を引っ張っていける存在になれたらと思っています。
コロナ禍で妊娠・出産を経験しましたが、当時の上司や同僚の理解があり、いち早くリモートワークに移行しました。休日は子どもと遊んで過ごすことがほとんどですね。
最近では、社内のD&Iプロジェクトに関わっています。これまでの環境が恵まれていると感じた一方、社内アンケートでは働く女性への理解について、部署ごとにバラつきがあることも分かりました。以前、留学先のホストマザーから「無理だと思うことは自分から声を上げなくてはダメだ」と強く言われたことが心に残っています。後輩社員が抱え込まないためにも、当事者の一人として意見を伝えることで、より多様性を尊重し合える風土にしていきたいと思います。(文=大川諒介、写真=冨家邦裕)
◇ADEKA 研究開発本部電子材料開発研究所半導体材料研究室 岡田奈奈(おかだ・なな)さん
(2022/12/5 05:00)