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(2023/1/23 05:00)
素子開発、日々ワクワク
(総合1から続く) 昔から理論や公式があり、答えがしっかり出る理系が好きで自然に得意分野になり、中学・高校も悩むことなく理系を専攻しました。
大学は岩手大学工学部機械システム工学科です。高校の頃から宇宙に関心が高まり、航空力学に興味があったのも理由の一つです。4年生では熱力学も勉強しました。卒業後は〝熱〟を測る温度センサーを航空宇宙、自動車、環境分野に提供する大泉製作所に入社しました。
1年目の仕事は自動車向け製品の設計です。お手伝いの名目だったのですが、電気自動車向けセンサーの小型化などに深く関わることができました。機械や仕組みの理解が力になり、楽しかったです。2年目から手がけた材料は、センサー開発とは全く違います。最初は材料の組み合わせを覚えるのですが、「スピネル型構造」と言われても何のことか分かりませんでした。
一方で材料は当社の大もと、核となるものです。ほんのちょっとの違いで特性が変わりますが、勉強して何十種類もある材料をひも付けできるようになり、営業部門の依頼で工程構築などを手がけました。現在は基地局などの光通信用デバイス向けの素子を開発しています。小型化などがテーマで、充実した毎日を送っています。
顧客のニーズは日に日に幅広くなっています。必要とされる温度も変わり、面白くてワクワクします。こうした顧客にエビデンスを、見える化・可視化して提供するため、シミュレーションに力を入れていきたいです。当社は中国、欧州にも拠点があるので、簡単ではないですがコミュニケーションをとって海外にも踏み込んでいきたいと思っています。
週末は両親の畑仕事の手伝いや自分でも物を栽培しています。季節を考えて育てた野菜がちゃんとできたときの達成感が好きです。(文・写真=中野徹二)
◇大泉製作所 技術本部材料開発部素子開発課 古川静香(ふるかわ・しずか)さん
(2023/1/23 05:00)