産業春秋／バイデン米大統領、Ｇ7広島サミット欠席？

バイデン米大統領が９日（現地時間）、１９日に開幕する先進７カ国首脳会議（Ｇ７サミット）に欠席する可能性を示唆した。米連邦政府が債務の上限（発行できる国債の上限）を引き上げられず、６月１日にも米国債が債務不履行（デフォルト）に陥りかねないためだ。

“ねじれ”状態の米議会で、債務上限の引き上げをめぐり与野党対立が続く。バイデン大統領は９日（同）、下院で過半を占める共和党のマッカーシー下院議長らと会談したものの折り合えず、１２日（同）に協議を再開するという。

積極財政の民主党と財政規律を重視する共和党。マッカーシー下院議長は債務上限を引き上げる条件として、２０２２年８月に成立した歳出歳入法（インフレ抑制法）に盛り込まれた気候変動対策の見直しなど歳出削減を求める。

バイデン大統領は２０２４年の大統領選への再選出馬を正式に表明している。自身の政策を覆すことは想定しておらず、現時点で着地点は見えない。

米国は銀行破綻で金融不安がくすぶる中、初のデフォルトとなれば金融市場は大混乱する。バイデン大統領は議会承認が不要な合衆国憲法修正第１４条を発動し、債務上限を引き上げるかが焦点の一つになる。