産業春秋／ゼレンスキー大統領がＧ７出席

ウクライナのゼレンスキー大統領が電撃的に来日し、２１日に先進７カ国首脳会議（Ｇ７広島サミット）に出席した。欧州４カ国への歴訪、アラブ首脳会議への出席に続く地球儀外交となる。ウクライナが反転攻勢の準備を本格化していることをうかがわせる。

ゼレンスキー大統領はＧ７にウクライナへの一段の軍事支援を要請したほか、中立国が多いグローバルサウスにも支援を呼びかけるなどけん制し、ロシアの孤立化に向けた働きかけを強めた。

米国は、同盟国が米国製のＦ１６戦闘機をウクライナに供与することを容認する姿勢に転じた。ウクライナ軍は戦闘地域での制空権の確保が課題で、戦況に大きな影響を及ぼすことになる。ゼレンスキー大統領は２１日のバイデン米大統領との首脳会談で謝意を伝えた。

ロシアはＦ１６戦闘機をウクライナに供与することで、戦況がエスカレートしかねないと強く反発する。戦争がさらに長期化するのか、ウクライナが強力な軍事支援を受けて停戦が早まるのか、大きな局面変化を迎えつつある。

２１日に閉幕した広島サミットではロシアへの新たな制裁や輸出規制も表明した。Ｇ７は結束を一段と強化し、ウクライナ支援を間断なく続けたい。