産業春秋／TSMC、熊本県に「第2工場」

半導体受託製造（ファウンドリー）最大手の台湾積体電路製造（ＴＳＭＣ）は、日本国内での第２工場について、熊本県での建設を検討している。ＴＳＭＣの劉徳音会長が６日の株主総会後の会見で言及した。

ＴＳＭＣは日本政府の支援を受け、ソニーグループなどとともに熊本県に第１工場を建設中で、第２工場もこの第１工場付近に建設することになりそう。日本政府はＴＳＭＣの日本での生産能力増強を求めており、その要請に応える考えが示された。

熊本県の蒲島郁夫知事は５月２４日に経済産業省を訪れ、ＴＳＭＣが同県に第２工場を建設する場合、第１工場と同規模の支援の実施を要望していた。現在、日本政府とＴＳＭＣは補助金などで交渉中とされる。円滑に合意することを期待したい。

北海道で先端半導体の量産化を目指すラピダス。“日の丸”半導体の復権を目指し、２０２５年に試作ライン稼働、２７年の量産を見据える。北海道を一大産業集積地とする「北海道バレー構想」も打ち出され、こちらも半導体で大きな経済効果が想定される。

北海道も熊本も、日本の半導体産業の基盤強化とともに、地域経済の活性化が期待される。好事例をさらに増やしたい。