産業春秋/日本は為替介入しやすくなったのか?

(2023/6/23 05:00)

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は21日(現地時間)、米連邦議会下院での証言で、年内に利上げを2回実施するとの見通しを「良い推測」と指摘した。道半ばのインフレ抑制に向け、利上げ再開に動く可能性が高まった。

米FRBは14日(同)の会合で、1年以上に及んだ利上げをいったん停止した。利上げを継続すれば米金融機関の融資がさらに厳格化し米経済を減速させかねないとの判断だ。

ただこの会合の参加者は年末の政策金利の中央値を5・6%と予測し、前回予測の5・1%から0・5%引き上げた。年内に0・25%の利上げが2回実施される計算になる。

パウエル議長の議会証言はこの見通しを追認した形だ。米国の5月の消費者物価指数は前年同月比4%上昇まで鈍化したものの、政府目標の2%より高い。サービス業を中心に賃金上昇とインフレが長期化する可能性があり、利上げ再開を市場は織り込む。

日本の懸念の一つは円安の行方。政府・日銀が昨秋に為替介入したものの、米国はこのほど為替操作国の監視対象リストから日本を外した。介入しやすくなったのか、これまで以上に米国との意思疎通が問われるのか、解釈が難しい。

(2023/6/23 05:00)

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