産業春秋／日韓、新たな経済協力関係を

政府は２７日、輸出手続きを簡素化する「グループＡ（ホワイト国）」に韓国を再指定するための政令改正を閣議決定した。７月２１日施行される。４年ぶりに貿易の規制が取り払われ、韓国に対する輸出規制は全て撤廃された。

日韓関係は竹島問題や徴用工問題で、この１０年余り最悪と言われてきた。両国の経済交流を振興する日韓経済協会の会員数も右肩下がりを続けた。だが韓国政府は徴用被害者への弁済を決め、日韓両政府はシャトル外交を再開するに至った。

対韓国の貿易収支は３０年来一貫して黒字が続く。技術力と付加価値がある工作機械や電子部品、化学素材など、韓国のモノづくりに欠かせない製品がけん引している。

韓国は半導体や電気自動車（ＥＶ）用バッテリーなどで世界市場で存在感を示している。こうした韓国メーカーの投資動向は日本の設備・装置、部材メーカーにとっても見逃せない。

加えて日韓経済協会では、日韓以外の第三国でのビジネス協力に期待する。大型施設やプラントの建設では、日本の企画力と韓国の施工能力を組み合わせることで国際競争力が高くなるとみている。再指定を機に、日韓経済協力の新たなページが開かれると期待したい。