産業春秋/ワークシェアリング再浮上

(2023/8/10 05:00)

ワークシェアリングという言葉を初めて耳にしたのは1991年のバブル崩壊の後だった。就職氷河期となり、不況の中で労働者の仕事を分け合い雇用の維持を図ろうと日本経営者団体連盟(現・経団連)の永野健会長が訴えた。この言葉、再び耳にするようになった。

元々は1980年代に欧州で導入された考え方。日本では当初、非正規雇用を増やすと世論は否定的だったが、不況が長引く中で2002年3月に政労使合意が成立した。

その後、リーマン・ショックを経て景気は回復した。雇用は再び売り手市場となり、関心は薄れた。これが働き方改革の中で、再び浮上してきた。

ワークシェアには雇用維持、雇用創出、緊急対応、多様就業の四つの型がある。30年前は雇用維持が主眼だったが、コロナ禍においては緊急対応で実施された。現在は多様就業が注目され、雇用維持についても同一労働同一賃金の下での対応が求められている。

時代とともにワークシェアの形は変わった。ただ、取り組みの結果が総労働時間短縮となることは以前から変わりない。お盆にかけて今週末から夏休みに入る会社が少なくない。将来は社会全体が長い休みを取れるようになるのだろう。

(2023/8/10 05:00)

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