2023国際ロボット展/ロボ部品、小型化注力

(2023/12/1 05:00)

性能向上し自動化下支え

東京・有明の東京ビッグサイトで開催中の「2023国際ロボット展」で、減速機などのロボット部品大手が存在感を発揮している。各社は性能を保ちつつ小型化に注力。減速機を搭載する産業用ロボットの小型化に貢献するなど自動化を支えている。(総合3参照)

  • 住友重機械工業は減速機を搭載したロボットアームを披露

ナブテスコは中・大型産業用ロボットの関節向け精密減速機で世界シェア約60%を誇る。ブースでは歴代製品を紹介。1985年の第1号に比べ、現行の「RV―Zシリーズ」の出力密度は2倍に向上した。同じ出力で小型化できることを意味する。関節を小さくし、ロボットの小型化につながる。

歯車にかかる荷重の平均化のため、コンピューター利用解析(CAE)を活用して出力密度を高めてきた。坂本勝理事精機カンパニーロボット営業部長は「ロボットの進化の一助を担っている」と誇らしげだ。

同社を追う2社では、住友重機械工業は直径43・5ミリメートルの超小型サイクロ減速機「SCYシリーズ」をサービスロボットの関節に搭載してもらう戦略だ。拡大が見込めるサービスロボットの市場開拓には「小型・軽量化が不可欠」(担当者)と判断。周辺のピンを歯車に変えたことや独自の歯車形状で小型化した。

ブースでは2025年の大阪・関西万博の案内用ロボットのアーム動作を披露した。電気通信大学が開発し、同製品とモーターの一体型製品を搭載した。

ニデックドライブテクノロジー(京都府向日市)は新開発のトルク・温度・角度の各センサー内蔵の精密減速機「スマートフレックスウェーブ」を展示した。人にぶつかった際にすぐ停止できるよう協働ロボットにセンサーを取り付ける場合、センサーの大きさや重さがロボットの小型化や高速化の妨げとなる課題がある。

  • アイエイアイはエレシリンダー初の薄型タイプをアピール

同製品はフィルム式センサーで大きさや重さを軽減し、協働ロボットの小型・軽量化に役立つ。島野光次社長は「ロボットの関節をスリムにできる画期的な製品」と自信を示す。

他の部品でも、アイエイアイ(静岡市清水区)が電動アクチュエーター「エレシリンダー(EC)」で初の薄型タイプなど小型の新製品をアピール。ECは加速と減速を制御できるのが強みで、「(現在主流の)エアシリンダーからの置き換えを狙う」(販売部)。小型化によりサイズでも競争力が高まる。

  • 協働ロボットや搬送ロボットなどのエア供給源となるSMCの小型コンプレッサー

SMCはエア源がなくても圧縮空気を供給できる小型コンプレッサーを紹介。協働ロボット用グリッパーなどの供給源に利用できる。質量はコントローラーと合わせても3・5キログラムでロボットへの負担が小さい。協働ロボットは台車に搭載して移動できる一方、移動するとエア源を確保できない課題を解決できる。

(2023/12/1 05:00)

機械・ロボット・航空機のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン