(2024/1/19 17:00)
日銀は22、23の両日、金融政策決定会合を開く。能登半島地震への対応や中小企業を中心とした賃金上昇への不確実性から、現行の金融政策を維持すると予想される。会合後に公表される「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2024年度のコア消費者物価指数(CPI)が23年10月時点の2・8%上昇から2・5%程度に下方修正される見通しだ。日銀は「賃金上昇を伴う持続可能な物価上昇」の実現を慎重に見極める段階にある。
日銀は物価を押し上げる力を二つに分類している。輸入物価上昇の価格転嫁による「第一の力」と、賃金と物価が相互に連関して高まる「第二の力」だ。「第二の力」が強まる基で2%の「物価安定の目標」が実現する姿を目指している。
足元の指標で「第二の力」はまだ伸びが鈍い。コアCPIのうち食料、エネルギー、為替などの輸入要因を除いた「スーパーコア」は過去半年横ばいが続く。みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは「23年12月以降で第二の力が大幅に強まったと考える材料に乏しい」とみる。
19日に発表された23年12月の全国CPIも「生鮮食品を除く総合(コア)」が前年同月比2・3%上昇と11月の同2・5%から伸びが減速した。23日の会合後に開かれる植田和男総裁の会見では、物価と賃金の好循環に前向きな認識を示しつつも従来の姿勢を維持する公算が大きい。
企業の賃金・価格設定行動の変化が政策を見極めるカギとなる。23年度以上の賃上げ率を表明する大企業が増える一方で、中小企業は姿勢に濃淡がある。11日発表した地域経済報告でも賃上げ負担を懸念する中小企業の声が多く聞かれた。24年春の賃上げの動きが広がりを欠けば、賃金と物価の好循環を実現できない。不確実性の高い中小企業の賃上げ動向が政策を左右しそうだ。
(2024/1/19 17:00)
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