(2024/1/19 12:00)
読書習慣は月に1冊程度。歴史モノの小説が好きだ。特に大学生の時に読んだ司馬遼太郎著『竜馬がゆく』が一番のお気に入りで、江戸幕府が朝廷に政権を返還した大政奉還の立役者である坂本竜馬の生き方が気に入っている。自分の正義に対して真っ正面から取り組むのがすごい。意思を貫き、幕末を生き抜いたが、残念ながら夢破れ暗殺されてしまった。
こうした竜馬の生き方は自分の人生にも影響を与えた。父が社長を務めるスケーター万年筆(現スケーター)に入社した当時の私は、好きなことをやらせてもらった。事業の主力は万年筆の製造だったが、これからはボールペンやシャープペンシルなどが筆記具の主力になると見ていた。幕末のような時代の変わり目だった。「このままではいけない」と思い、入社してから約10年間は取引先関連の製造業や印刷業、食堂などで現場の仕事をやらせてもらった。
竜馬が海援隊でさまざまな場所を回り、多くの人々と触れあったように多くの仕事を経験する中で時代の潮流を感じることができた。かつて万年筆のメーカーだったスケーターでは「作れるモノを作る」という考え方だった。だがさまざまな業種を経験する中で、「自分たちが作りたいモノ」ではなく「顧客が求めるモノ」が何かを徹底して考え抜くようになった。
自分が考えた多くのアイデアを具現化し、それらを商品にして車に載せ取引先の問屋を訪問したこともある。だがすぐには相手にしてもらえず、訪問先で1―2時間待たされたこともある。それなりの企業や人物にならなければならないと痛感した。
父からは「自分のやりたいことをやりなさい」と言われ、最もうれしい言葉だった。この言葉を2人の息子にも伝えている。今は会長だが2年後には引退し、今の仕事とは全く違うことをやりたい。また竜馬とその妻であるおりょうが旅したように、夫婦で日本中を回りたいと思っている。
(2024/1/19 12:00)
総合1のニュース一覧
- 小型探査機SLIM、日本初の月面着陸に成功(24/01/20)
- 日銀、金融政策維持か 22日から決定会合、中小の賃上げ見極め(24/01/19)
- 人気キャラの盾“再現” 中村製作所が2製品、クラファンで先行販売(24/01/19)
- 室蘭工業大学、植物機能性成分を評価 「食」通じ産学・地域連携(24/01/19)
- 小林製薬、宇宙での感染症防ぐ 抗菌加工で研究(24/01/19)
- 「“顧客が求めるもの”考える契機に」 スケーター会長・鴻池良一氏(24/01/19)
- PwC・モンスターラボが提携 アジャイル型コンサルでクラウド変革支援(24/01/19)
- 日特陶、仏エンジン点火プラグ工場を閉鎖 ロシア向け停止影響(24/01/19)
- 日銀のマイナス金利解除、「今年前半」観測高まる(24/01/19)
- オリックス、東芝出資のIRR目標20%に 井上社長「5年再上場はめど」(24/01/19)
- 産業春秋/迫る物流の2024年問題(24/01/19)