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(2024/1/30 05:00)
NTTスマートコネクト 光ケーブルで相互接続
企業や自治体のデジタル変革(DX)を支える存在として欠かせないのが、サーバーやネットワーク機器などを一括して収容するデータセンター(DC)。国内のDC集積場所としては真っ先に首都圏が挙げられるが、DCが一極集中すると災害時に被る打撃が大きくなる可能性がある。そこでリスク分散のために重要性が再認識されているのが関西地区、特に大阪市内のDCだ。その現状を追った。(編集委員・安藤光恵)
大阪市内ではオフィスや商業施設が多い北区や中央区を中心にDCが立地。鉄道などの交通網が発達し、利便性が高い地域に集積する。遅延が少ない通信や他拠点への接続性の良さなどで利用企業のDXを支えている。
大阪の代表的なDC運営事業者の一つが、NTT西日本子会社のNTTスマートコネクト(大阪市北区)。顧客のサーバーを自社のDCで管理する「ハウジング事業」が中核事業の一つだ。
大阪市北区では繁華街の梅田に近い堂島や曽根崎、同市中央区では北浜などにDCを構えており、DC同士を光ケーブルで相互接続する「堂島コネクト」を備えている。「別々のDCでも同一拠点のように利用できる」(同社ビジネス推進部の梶原浩紀マネージャー)という。
オプテージ 曽根崎に新拠点
同様に大阪市内のDC運営に注力しているのが、関西電力傘下の電気通信事業会社オプテージ(大阪市中央区)。北区の梅田北や中央区の心斎橋に加え、2026年1月に「曽根崎DC」を開設する計画だ。経営戦略部の藤井猛晴マネージャーは「主要なメガクラウドやインターネットの相互接続ポイントがあり、送受信データが集中している堂島や心斎橋から3キロメートル圏内と近く、光ファイバーで直結できる」と立地の優位性を説明する。
顧客のDXに伴いデータ流通量が増えてクラウドの活用が進みつつあり、DC事業者は安全で高速な接続をいかに提供するかが問われるようになってきた。NTTスマートコネクトは同社曽根崎DCで複数のインターネットエクスチェンジ(IX)サービス企業の接続拠点を提供している。オプテージも心斎橋DCに高速接続サービスを提供するエリアを3月に開設する。
企業の通信サービス提供基盤としてのDCの需要増加により、大阪中心部のデジタル拠点としての発展はさらに続きそうだ。
(2024/1/30 05:00)