藻類から高付加価値原料 ロート・F・沖縄社長 中原剣氏に聞く

(2024/3/7 12:00)

商品開発まで一気通貫

  • 中原剣氏

ロート製薬は微細藻類を活用した高付加価値原料の研究開発や事業化でオーピーバイオファクトリー(沖縄県うるま市)と協業し、2022年に沖縄県に共同研究拠点「アム・ラボラトリー」を設けた。ヘルスケアに役立つ効能を持つ藻類を探索して培養技術を確立し、ロート製薬が運営するレストランで食材提供している。3月には化粧品を投入する。ロート製薬子会社のロート・F・沖縄の中原剣社長に開発の狙いや今後の展開を聞いた。

―藻類での協業のきっかけは。

「沖縄で農業や畜産業などを展開する中、新しく大きな資源として約30万種ある藻類に着目した。そこで藻類の探索や培養の技術を持つオーピーバイオを知り、ロートの素材・製品化する下流の技術と合わせて一気通貫の商品開発でスピード勝負できると判断した」

  • 藻類のパブロバから抽出したエキス

―栄養価が高いパブロバを用いています。

「脂肪燃焼や美容効果を持つ成分を含み、食品や化粧品に活用している。育毛効果なども確認しており製品ラインアップを増やす。パブロバ以外の藻類も研究を進めている」

―コロナ禍での事業は難しかったのでは。

「コロナ禍で協議を始めた。撤退モードの会社が多い中でしっかり話し合い、信頼関係を築けた。オーピーバイオのような上流の企業は、下流のさまざまな企業と手を組める売り手市場だったが、ロート製薬の姿勢や柔軟性を評価したようだ」

―事業を今後どう拡充していきますか。

「皆で藻類の産業をつくる意識でコンソーシアムの形にしたい。新素材を開発したらオープンにして農業系や畜産系などロート製薬にない販路を持つ企業などと組めば市場が広がる。生産現場を見せるなど面白い内容を発信して普及を啓もうし、藻類とかけ離れているとされる一般人との接点を作るのが大事だ」

(2024/3/7 12:00)

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