産業春秋/社員に寄り添う健康経営

(2024/3/15 05:00)

経済産業省と東京証券取引所が、2024年の「健康経営銘柄」を選定した。選定は10回目。今回の調査回答企業数は3520社、うち上場企業は1203社で、選ばれたのは53社。基本1業種1社選定という狭き門において、唯一10回連続受賞したのがSCSKだ。

健康経営とは従業員の健康が企業の収益などを高める投資と考え、健康管理を経営的な視点で戦略的に実践すること。SCSKは「人」を最大の財産とし、15年から「健康経営の理念」を就業規則に明記している。健康増進施策には社員の99%が参加する。

これに次ぐ9回の受賞は3社。花王は働き方が多様化する中で適切な労働時間管理を行うアプリを導入。TOTOは健康リスクを層別し、階層ごとに施策を展開。大和証券グループ本社は医務室による社員向けオンライン診療を導入した。

銘柄は、健康への優れた取り組みだけでは選ばれない。ROE(自己資本利益率)の数値が選定基準に含まれる。経営で結果を出し続けている企業というわけだ。

選定企業の施策を見ると、社員一人ひとりに寄り添った取り組みをしている。新聞社で「健康」より「原稿」と言われたのも今は昔。体調には十分留意したい。

(2024/3/15 05:00)

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