システム、装置開発・ロボ教育の両輪で成長

(2024/3/18 12:00)

システム(群馬県伊勢崎市、多賀谷彰美社長)は、生産ラインの自動化や省力・省人化装置の受託開発を展開している。1988年の創業時は部品加工を手がけていたが、約10年後に装置・システム開発へと軸足を移した。現在は電気設計・機械設計・組み立て・加工・電気配線の5部門が連携し、ワンストップサービスを提供している。

  • ロボットスクールで教示練習を実施

当初は自動車部品生産向け装置の開発が中心だったが、住宅建材や建設機械部品向けなどにすそ野が広がっている。直近ではエンジニアリング商社のユニコ(東京都新宿区)を介し、ヤマハファインテック(浜松市中央区)の超音波式ヒートシールテスターを搭載したレトルトパウチ食品向け検査装置を製作した。

多賀谷社長は「同業他社は電気設計をアウトソーシングしているケースが多い。当社は電気と機械の設計者が、お互い遠慮せずに意見を言い合える。こうした中から課題解決のアイデアが生まれる」と言い切る。

受託開発と合わせて展開しているのが「ロボットスクール」だ。火・水曜日と木・金曜日の2日間連続で「ファナックコース」「安川電機コース」を用意。産業用ロボの知識・関係法令の講義のほか、6軸垂直多関節ロボの教示練習などを実施する。定員は最大3人で、受講料は1人当たり3万6300円(消費税込み)。出張講義にも対応している。

コロナ禍で受講者が落ち込んだものの、2023年秋から回復し、24年春はほぼ満員。インストラクターの増員も検討している。多賀谷社長は「実は顧客開拓を狙って開校したが、受講者は現場の従業員らが中心で、受注に至ったことはない」と苦笑いしつつ、「だが、新入社員研修に組み込んでくれている企業もある。役に立ててうれしい」と笑顔を見せる。

装置・システム開発とロボ教育を両輪として成長戦略を描く。“トータル・システム・デベロッパー”を掲げ、新時代のオリジナルセットメーカーになるという夢を追う。

(2024/3/18 12:00)

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