YKK AP、災害対策に「BCP訓練」 拠点間の連携強化

(2024/4/4 20:11)

  • 訓練でBCPの実行をシミュレーション

YKK APは最高リスクマネジメント責任者(CRO)率いるリスク関連委員会主導のもとリスク対策に取り組んでいる。有事でも円滑に事業を継続できるよう、委員会と各事業部の連携を強めるとともに、個々の従業員のリスクに対する感度を向上させることで、多様化するリスクへの対応力を高める。

同社では災害対策を中心にリスク管理に取り組んできたが、変化するリスクへの対応力を高めるためリスク関連委員会の活動を強化。委員会は「品質管理」や「情報セキュリティ」など五つに分かれ、複数の部門の人員から構成される。各委員会主導で各領域の事業継続計画(BCP)を策定し、事業部が実践。全社横断でリスクへの対策を推進する。

委員会主導の取り組みとして拠点間の連携強化を目的とした「BCP訓練」がある。全従業員対象の防災訓練と異なり役職者や事業担当者を中心に行い、有事で事前に策定したBCPを円滑に実行できるようシミュレーションする。

従業員のリスク感度向上にも取り組む。個人が攻撃対象となり得るサイバー攻撃対策では勉強会を開催し、講義動画を配信する。災害時の安否確認も円滑化すべく、長期休暇前には安否確認システムの利用方法の確認を呼びかけている。その効果で能登半島地震では発生から25時間以内に対象地域の全従業員の安否を確認できた。

4月に広報部門の経験を持つ佐藤碧氏が新CROに就任。非上場のため「クローズド(閉鎖的)になりやすい」(佐藤CRO)とし、外部の変化に敏感な人材を据えることで、リスクに迅速に対応する体制を整える。

(2024/4/4 20:11)

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