(2024/4/4 12:00)
日立グループ、ソニーなどとも連携
日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS、東京都港区、大隅英貴社長)は、トラック運転手不足が懸念される「物流の2024年問題」への対応を加速する。海外から輸入した家電製品の輸送経路を変えてトラックの走行距離を短縮したほか、日立グループ内での協業により積載効率を高めた。今後は他社との連携も一段と深めながら、二酸化炭素(CO2)排出量の削減やトラック運転手の負担軽減につなげる。
日立GLSは2021年から物流の2024年問題への対応を本格的に始めた。当初はオペレーション(運営)変更への懸念が示されることもあったというが、「問題への課題意識や、環境負荷を低減したいという共通認識があった」(相生修一ホームソリューション事業部SCM本部長)ことから、社員一丸で取り組んでいる。
まずは海外から輸入し、日本国内で販売する家電製品を対象に輸送体制を見直した。従来は東京港で受け取り栃木県の配送センターに輸送した後、顧客の倉庫に運んでいた。変更後は東京港から顧客の倉庫に直送するほか、配送先の近くに位置する倉庫を用いながら、顧客の倉庫に運ぶ体制に変えた。輸送距離を従来の約200キロメートルから、直送により約30キロメートルに短縮できた。
さらに、日立グループ内での協業も進む。例えば日立ビルシステム(東京都千代田区)と協力し、日立GLSの家電製品と日立ビルシステムのエレベーター向け保守用部品を混載し、北海道の倉庫まで運ぶ。従来は各社の製造拠点である多賀事業所(茨城県日立市)や水戸事業所(茨城県ひたちなか市)からそれぞれ輸送していたが、積載効率の向上が課題だった。協業により、1回の運航当たりの積載効率は約30%向上したという。
ただ企業間での連携には手間もかかる。相生SCM本部長は「泥臭いやりとりを事業所の間で行っている」と実情を話す。出荷のタイミングや積載物の内容といった情報はメールなどを通じて事業所間で共有しているといい、積載効率を最大化できるように努めている。
また、4月からはソニーマーケティング(東京都港区)と北海道で共同物流を始めた。対象地域の拡大も検討しているという。
今後、直送の割合を増やすためにも、既存システムを改修し、新たなスキーム(枠組み)に合わせることを計画。荷主企業の物流業務を一括受託するサード・パーティー・ロジスティクス(3PL)との連携を改善していく方向だ。
(2024/4/4 12:00)
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