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(2024/4/29 05:00)
患者に寄り添う心を大切に
(総合1から続く)両親が医療に携わっていたので、物心ついた頃から興味がありました。安田女子大学薬学部では、研究やテーマを深く追求する重要性を学びました。
勤務する調剤薬局に来るがん患者は月300―400人。私は、がん専門の薬剤師として月40―50人を担当します。当社の全国の調剤薬局には約3000人の薬剤師が在籍します。私はその中で外来がん治療認定薬剤師と外来がん治療専門薬剤師の資格を持つ15人のうちの1人です。現場で通常の薬剤師業務をこなしながら、同じ資格の取得を希望する社内の後輩薬剤師の教育・指導もします。
がんの専門的な知識を持った医療従事者がどのように声をかけるかで、治療への患者さんの意欲や治療効果も変わると信じます。患者さんがなるべく治療前と変わらない生活が送れるような治療ができる時代です。患者さんが大切にしていること、尊重したいことを医療従事者は知っておく必要があります。がんについての知識だけでなく寄り添う心がますます重要になると考えています。
オンラインでの診療や服薬指導と、医療の形は変化し、調剤薬局の役割は大きくなると思います。かかりつけ薬剤師をはじめ、選ばれ、頼られる薬剤師を目指しています。患者さんだけでなく会社からも必要とされる存在でありたいです。上司や先輩、同僚、後輩との垣根が低い職場です。意見を出し合い、後輩から学ぶことも多くあります。上司や先輩は皆の意見をくみ取り、的確にアドバイスする存在です。
3歳児と1歳児の母親として仕事と育児の両立は大変です。今後、プライベートと仕事のバランスで悩む人に自分の経験を伝え、良い意味でのモデルケースになれたらと考えています。(文・写真=西部・勝谷聡)
◇総合メディカル そうごう薬局天神中央店 専門薬剤師・外来がん治療認定薬剤師 江淵愛(えぶち・あい)さん
(2024/4/29 05:00)