(2024/4/29 05:00)
子ども世代に農業を勧めたいと考える生産者はわずか2割。理由は「所得水準の低さ」「収入の不安定さ」(農林中央金庫調査)。食料安全保障が叫ばれる中、日本の農業は持続できるのか。
就職には親の意向が大なり小なり反映される。子どもの頃、親に祖父母の農家の仕事を尋ねたことを思い出す。親には「お前には向いてない」と返された。自分でもそう感じたので、長じて志望する記者に就いた。
新小学1年生の男の子の親が「将来就かせたい職業」のトップは群を抜いて「公務員」(クラレ調査)。子どもの安定を願う気持ちは変わっていないという。ただ現実には公務員の志願者減、早期離職の増加が問題となっている。
職業に貴賎(きせん)はないが、負の場所には人は集まらない。あればそれを払拭したい。まず日本全体に「賃金の上昇」が求められている。その上でライフワークバランスを踏まえたキャリア形成、社会貢献の姿をイメージさせることが人材確保に必要だ。
2025年卒業者の就職活動が本番を迎えている。就活イベントやインターンシップ(就業体験)など、学生が企業を知る機会が広がった。その親にも職業・企業の魅力を伝えることが大切な時代になった。
(2024/4/29 05:00)