(2024/6/3 17:00)
伊藤忠商事と日本コークス工業は3日、北九州市の響灘臨海エリアで水素・アンモニアのサプライチェーン(供給網)の構築調査を開始したと発表した。福岡県や九州電力、ENEOSなどと共同で発電所や工場、自動車・船舶などへの供給拠点整備を検討する。脱炭素需要の取り込みに向けて、2030年度までに水素換算で年間約9万トンの水素・アンモニアの製造開始を目指す。
伊藤忠と日本コークス工業は福岡県などで構成する福岡県水素拠点化推進協議会のメンバーとして同調査を実施する。両社が21年に始めた水素の地産地消モデルの検討成果などを生かしながら、今夏にも経済産業省が公募を始める補助金の給付を受けられるように調査結果をとりまとめる。
響灘臨海エリアは鉄鋼や化学、発電などの産業が集積し、パイプラインを通じて効率的に水素・アンモニアを供給できる。伊藤忠がアンモニア輸入を担うほか、コークス製造の副産物としてアンモニアを扱ってきた日本コークス工業と共同で貯蔵・供給施設の拡充を検討する。
エネルギー密度が低いため長距離輸送が困難な水素は、アンモニアから水素を取り出す「クラッキング」や廃プラスチックのガス化による水素製造を検証する。水素・アンモニアは九州電力や日本製鉄が化石燃料との混焼発電に使うほか、UBE三菱セメントの工場での熱源への利用などを想定。ENEOSなどが再生可能エネルギーを使った水の電気分解によるグリーン水素の製造も検討する。
商社では燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素・アンモニアの供給拠点整備に向けた動きが活発化している。三菱商事は愛媛県今治市で、三井物産は大阪府の臨海工業地帯で供給網整備を進めている。
(2024/6/3 17:00)
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